流山おおたかの森 都市景観2

  •   28, 2017 10:10
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流山おおたかの森は千葉県流山市でつくばエクスプレスと東武野田線が交わる「流山おおたかの森駅」周辺の地域で、流山市の景観計画重点区域が策定されている地域のうち、最も面積の広い「つくばエクスプレス沿線整備区域 (約658ha)」に位置しています。


今回は流山おおたかの森駅南口と東口側(つくばエクスプレス南東側)をまとめます。
流山おおたかの森のメインストリートとも言える南口は駅コンコースから続く大階段を降り、流山おおたかの森S・Cというショッピングセンターに面した流山おおたかの森南口都市広場を経由し、流山おおたかの森駅南口公園までの歩行者動線軸が整えられています。

その歩行者動線軸で最も駅に近く、歩いている人の数が多い場所にショッピングセンターを配置し、賑わいを創出、駅から歩いて行ける範囲に緑豊かな公園があることも特徴の一つです。
また、駅を中心としたコンパクトなまちづくりも行っており、駅周辺にはショッピングセンター、公園、広場、大規模超高層住宅などの生活利便施設が高密度に配置され、約275ha、計画人口約28,600人の流山市 新市街地地区の中枢を成します。





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◆参考資料、引用元
流山市 流山おおたかの森駅前市有地活用基本方針
流山市 都市計画
流山市 新市街地地区(流山おおたかの森駅周辺)の概要と整備(H29.5.1更新)
暮らしやすさと活気を備えた、流山市の新たな拠点づくり。流山おおたかの森「新市街地地区 土地区画整理事業」





◆流山おおたかの森 都市景観point
・駅から公園まで一直線に伸びる広場(幅員:約20m、全長:約230m)に植えられた欅並木
・建物前面には大きな屋根が取り付けられており、庇の上に立つ名称ロゴが目立つ商業施設
・商業施設は駅の目の前で人の往来が多く、賑わいも感じられる
・エントランスに植えられた高さ約17mの欅のシンボルツリー
・流山市独自のグリーンチェーン認定基準

・屋外にも賑わいをもたらす屋外階段やテラス、ベンチやテーブル
・背後の構造物による圧迫感を軽減させることのできる並木
・アイストップに奇抜なデザインの階段
・一直線に伸びる広場により、公園まで抜ける視線
・樹木の密度が高く、高層マンションや大規模商業施設があるとは思えない空間

・コンパクトシティの必須条件である駅近くの高密度居住を、建物の高層化という手段で解決
・小高い人工の丘での様々なシーン
・駅→商業施設と広場(賑わい)→公園(憩い)→住宅という歩行者動線設計
・雨水貯留施設の調整池も兼ねたバードウオッチング可能な市野谷 水鳥の池
・歩車分離の街路設計

・街路樹のみならず盛んな敷地内植栽
・統一された外構や外観
・都会的な高層の飲食系商業ビル、駅からも直結
・幅員が約30mでとても広い道路、代わりに周辺の建物はセットバックせず、道路境界線ギリギリまで建築
・歩行者専用道路、自転車専用道路、車道と分けた道路

・視覚障害者でも使いやすい点字ブロック付きの歩行者専用道路
・都市計画による密度操作、用途誘導
・明るい雰囲気を創出する屋外に置かれたファニチャーや店頭のテント
・鉄道と道路の立体交差
・大通り沿いの低密度住宅、ロードサイドショップ
・歩道と車道との境界に植えられたツツジの花






流山おおたかの森駅東側00001maps





流山おおたかの森駅南口を出ると流山おおたかの森駅南口公園まで一直線に伸びる広場があります。
おおたかの森南口都市広場という名称で、この広場が軸であり、駅前のシンボルロードともなっています。
幅員は約20m、全長は約230mとなっており、欅並木(※間違えていたら申し訳ございません)の街路樹が一直線に並んでいる緑豊かなメインストリートです。
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●流山おおたかの森S・C
流山おおたかの森駅前にあり、敷地面積40,573㎡、商業施設面積41,120㎡、延床面積106,521㎡、店舗数130ののショッピングセンターです。
核店舗は髙島屋初の食料品販売に特化した店舗である「タカシマヤ フードメゾン おおたかの森店」、イトーヨーカドー 流山おおたかの森店、紀伊國屋書店、流山ロフト、そして11スクリーン、1,900席を有するシネマコンプレックスであるTOHOシネマズ 流山おおたかの森となっています。

建物前面には大きな屋根が取り付けられており、庇の上に立つ名称ロゴも目立つ存在です。
駅の目の前にあるため、人の往来が多く、賑わいも感じられる立地となっています。
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流山おおたかの森S・Cのおおたかの森南口都市広場に面したエントランスには高さ約17mの欅のシンボルツリーが植えられています。
流山市が緑豊かな流山の価値を損なわず、緑の存在が流山に住むことの最大の価値となるようにとのことから定めた「グリーンチェーン認定基準」の認定を流山おおたかの森S・Cは受けているようです。
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屋外階段でシンボルツリーの欅を眺めながら3階のテラスまで登れます。
欅の木の下にはベンチやテーブルなどが置かれ、爽やかな風と緑の木漏れ日によって穏やかな雰囲気を創り出していました。
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●おおたかの森南口都市広場
おおたかの森南口都市広場の様子です。
目の前の構造物はつくばエクスプレス流山おおたかの森駅の高架駅舎で、反対側の西口方面は視線が遮られ、見ることができません。
これだけ巨大な構造物があると圧迫感が生じますが、手前に並木を配置することにより、圧迫感がやや軽減されています。
また、手前には芝生広場も整備されており、養生中だったので入れませんでしたが、ある程度すると子どもがここで走り回ることができるのかなと思います。
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欅並木が一直線に続きます。
流山おおたかの森駅南口公園方面から見ると、アイストップにカラフルなデザインの階段が目に留まります。
階段上部と広場敷材は欅の幹色に合わせたのかベージュ色をしているため、奇抜な色をした階段下部が目立ちました。
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反対側の駅側から流山おおたかの森駅南口公園方面を見ると、空中通路があるとはいえ、公園まで視線が抜けます。
ちなみに駅と公園の標高差は約2mほど異なり、公園側が低くなっています。
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●流山おおたかの森駅南口公園
突然、緑豊かな公園の写真になりますが、ここが駅からの歩行者動線軸の先端にあたる流山おおたかの森駅南口公園です。
目の前に高層マンションや大規模商業施設があるとは思えない空間となっており、都市と里山が融合したかのようで魅力的ですね。

休日の昼過ぎということもあり、近所に住む子どもやショッピングに訪れていたと思われる家族連れ、部活動から帰宅途中の高校生や暇そうな大学生等々、様々な人がのんびりと過ごしていました。
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ちなみに背後には「ザ・フォレストレジデンス」という大規模高層住宅があります。
画像左側の最も高い棟は「ザ・フォレスト レジデンス Bright Leaf」で地上22階建て、高さ70.17mもある超高層マンションです。
総戸数は524戸で、コンパクトシティの必須条件である駅近くの高密度居住を、建物の高層化という手段で解決しています。
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先ほどの写真手前側の丘を登ります。
流山おおたかの森駅南口公園南端に小高い人工の丘があり、公園全体や更に南側にある市野谷 水鳥の池を望むこともできます。
ベンチもあり、ここで本を読んだり、友人や恋人と会話をしたりと様々なシーンが思い浮かびました。
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丘の頂上から見た公園全景です。
駅から少し歩いた場所にこうした緑豊かな公園があるのは良いですね。
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●周辺の都市景観
「市野谷 水鳥の池」と更に南側に広がる第一種低層住居専用地域の街並みです。
「市野谷 水鳥の池」は雨水貯留施設の調整池も兼ねており、「アオサギ」や「カルガモ」、「キジ」、「カワセミ」などの野鳥がいるようで、都市部に近いこの場所でバードウオッチングができるとは驚きです。
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「市野谷 水鳥の池」北側の戸建て住宅街です。
緩やかにカーブした街路は2車線車道と両側に歩道が設けられた歩車分離の街路設計となっています。
街路樹のみならず、周辺宅地の敷地内植栽も盛んに行われています。
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街路樹のみならず花も植えられており、市野谷 水鳥の池に来た野鳥も嬉しそうに鳴いていました。(※個人的な感想です。)
ここの住宅街は近くに建設された高層マンションの「ザ・フォレストレジデンス」と同時に建設され、外構や外観意匠も統一され、景観がかなり整えられていました。
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●流山おおたかの森駅東口
歩行者動線が中心だった南口とは真逆で、こちらは送迎などの自動車やバスなどが停車できるロータリーが目立ちます。
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目の前の高架駅舎やサイゼリヤや魚民、ミニストップ等の入る商業ビルが視界を遮ります。
ロータリーがあるのでD/Hは1ほどですが、高層の飲食系商業ビルが駅前に建ち、駅からも直結している姿は都会的です。
都心で済ませてくれば良いのではという考えもあるようですが、郊外だからこそ広めの空間を確保しやすいと思うので、郊外の駅前にも居酒屋やファミレス、コンビニは必須ですね。
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ロータリーへ通ずる道路は歩道を含めた幅員が約30mでとても広い道路となっていました。
その代わりに周辺の建物はセットバックせず、道路境界線ギリギリまで建てられているものもあります。

ちなみに左奥には立体駐車場があり、自宅から駅まで愛車で来て、電車に乗り換えて都心へ向かうパーク&ライドが可能となっています。パーク&ライドを実践すると、環境負荷軽減のみならず駅前の賑わい創出や自動車の走行距離縮小に伴う事故率の低下など様々な面でメリットがあります。
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歩車分離は車と人のみならず自転車と人の間でも進みます。
画像左側は視覚障害者でも使いやすい点字ブロック付きの歩行者専用道路で、植栽を挟んで右側は自転車通行帯、更に植栽を挟んだ右側が車道です。
ある一定間隔で、自転車専用道路から歩道へ抜けられるようになっており、敷地内に行くのも億劫ではありません。
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一歩奥へ入ると中高層マンションが建ち並ぶエリアに入ります。
商業地域や近隣商業地域、第一種住居地域に指定されており、高層住宅でも建設可能です。
駅周辺に高密度な都市を創りだすためには、都市計画による誘導も必要みたいですね。
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歩道に面して路面店が目を引きます。
屋外に置かれたファニチャーや店頭のテントが明るい雰囲気を出しています。
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鉄道とのアンダーパスです。
現在は法律で踏切の新設が厳しく制限されているため、新たに鉄道と道路を交差させる場合は立体化されることが多いそうです。
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都市計画道路・中駒木線です。
沿道にはコメダやマックなどのロードサイドショップや戸建て住宅、アパートなどの低密度な建築物が並びます。
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4車線の車道の両側に幅員約5mの歩道があります。
歩道と車道との境界にはツツジの花が植えられ、都市に彩りを持たせています。
街路樹も立派なもので歩いていても、車を運転していても快適な道路です。
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●最後に
前回は秋に行きましたが、欅並木の紅葉が美しく、また、ある時にはイルミネーションもされたようで、おおたかの森南口都市広場は人々の生活の中心になっていると感じました。

駅から遠い場所に住んでいたり、小さな子どもや女性が夜遅くに駅を使うとなると親が車で送迎する必要性がある場合もあります。
その際に車を停車させるロータリーが必須となりますが、一般的な開発ではロータリーで人の動線が遮られてしまったり、駅前の賑わいを上手く創出できていないことがよくあります。

ここ流山おおたかの森は駅からの歩行者動線、車動線が分けられ、駅前が賑わっていたので非常に上手い動線設計、ゾーニングがなされていたかと思います。
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実は今回で流山おおたかの森は3度目の訪問となります。
流山おおたかの森はそれほど知名度も高くなく、高級住宅地等のブランド都市ではありませんが、こうした美しい景観や駅前の賑わい、そして幸せそうな家族が生活している様子を見ると、住んでみたいなという気持ちが沸いてきてついつい何度も訪れてしまいます。
自分も卒業設計でこのような都市を設計してみたいと思いました。
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整理番号 都市景観 No.13 流山おおたかの森 都市景観2
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