鎌倉都市景観

  •   28, 2016 07:11
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少し前に大学のゼミ旅行で鎌倉と横浜に行き、都市景観や近代建築物、建築意匠について調査、研究してきましたのでブログでも簡単にまとめます。


神奈川県鎌倉市は人口17万人、面積39.67K㎡、老年人口比率約28%で、東京都心の東京駅まで横須賀線で1時間、横浜までは25分ほどの場所に位置しており、首都圏郊外都市としての機能を有するほか、鶴岡八幡宮(つるがおか はちまんぐう)や由比ヶ浜、鎌倉大仏などの観光地として栄えています。
鎌倉市には中心市街地が二つあり、現代的な商業集積された拠点都市である「大船」と歴史的な街並みが残る旧市街地の「鎌倉」があるのですが、今回は鎌倉を中心にまとめます。




◆参考資料、引用元
鎌倉市 鎌倉市景観計画について
鎌倉市 都市計画等情報提供サービス
鎌倉市 景観の概要
鎌倉小町商店会公式website



◇江ノ電1日乗車券、フリー切符案内
・江ノ電のみ、江ノ電沿線のフリー切符→江ノ電1日乗車券「のりおりくん」:大人600円
・新宿などの小田急線各駅から藤沢までの往復券と小田急線(藤沢~片瀬江ノ島)と江ノ電が乗り降り自由の切符が一体になったフリー切符→江の島・鎌倉フリーパス:新宿から大人1470円、町田から大人1020円


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●鎌倉景観地図
鎌倉の拠点である鎌倉駅と鶴岡八幡宮を若宮大路と小町通りが結んでおり、この二つの街路は賑わいの中心で人の動線となっています。

これら二つの拠点周辺と若宮大路周辺は「鎌倉景観地区」に指定されており、地区特性に合わせて住居系、商業系等7つの対象区域に分けて建築物の形態意匠、特にデザイン性や色彩、そして高さの最高限度が定められています。
ちなみに鎌倉景観地区内はすべて最高高さ15mに制限されています(第一種低層住居専用地域除く)。
鎌倉市 都市景観2





鎌倉駅から鶴岡八幡宮まで経路の順を追って、各所における都市景観をまとまていきます。
和風の外観が特徴的な鎌倉駅はJR横須賀線、JR湘南新宿ライン、江ノ電が通っており、平日の日中でJRは1時間あたり6本、江ノ電は1時間あたり5本あるので利便性はそこそこ高く、JRの始発は4:57に東京行きがあったり、通勤通学時間帯は11本/h確保され、終電は0:49に逗子行きがあったりするので観光地としてだけでなく、東京や横浜のベッドタウンとしても機能しています。

ちなみに1日平均乗降客数は8万8,752人(Wikipediaから乗車客数44,376人×2より算出)となっており、鎌倉市民の約半分が毎日鎌倉駅を利用している計算となります。
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鎌倉駅から人の流れに従い、北北東の方向に進んみますと小町通りに出ます。
小町通りはアーケードは無いものの商店街となっており、長さ約360mの距離に飲食店や土産物店、雑貨店、工芸品店が250店舗ほど連なります。

思ったほど建物は和風であるわけでなく、手前左側のソフトクリーム建物をはじめ個性ある外観意匠の商店や看板が見やすい店舗などもあり、厳しすぎる規制ではないことがわかります。
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郊外の大通り沿いのショッピングモールが人気の現代でも、この小町通りの商店街は非常に活気があり賑わっている商店街でした。
建物の高さと街路の幅員の比率、いわゆるD/Hは1~1.5でヒューマンスケールから都会的なやや密度の高めな景観が形成されています。ただし都会的な密度であるものの、小町通りの街路幅員が約6mなので、D/Hから建物高さは基本的に約9m程度であることがわかります。

また、この賑わいは鶴岡八幡宮のブランディングによってそこへ訪れる人が創りだしているため、鶴岡八幡宮が無いとこの人や商業の密度とまではいかなかったかと思います。
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小町通りはアーケードこそないものの一定間隔で写真のような看板があったり、お洒落な尖塔型の街灯があったりするほか、電柱の地中化が行われているため、景観上、非常に美しく整備されています。

こういったストリートファニチャーについてもガイドラインがあり、店先の小スペースと植栽や瀟洒な看板、商売毎の雰囲気を演出した店先、秩序の感じられるスカイライン、統一的な色づかいの自動販売機・・・と多岐にわたって留意すべき点がまとめられています。
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小町通りから若宮大路へ向かう裏路地のような街路に入っても様々な店舗が並びます。
こちらは電線電柱がありましたが、建物の外観は濃茶系や白、黒、薄橙を基調とした地味な色を用いています。

鎌倉景観地区内では素材や色彩についても詳細な指定があり、「素材は美しい経年変化やメンテナンスを考慮し、また光沢のある素材、反射性のある素材の使用」や「基調色は、色相がR、YR、Yの場合は彩度6以下、その他の色相は彩度3以下とする。」などの指定があります。
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裏路地を東へ進むと「若宮大路」に出ます。
「若宮大路」は鶴岡八幡宮前から相模湾の由比ヶ浜へと大路は約1.8kmの距離を一直線に延びており、鎌倉幕府を開く直前の1182年(寿永元年)に源頼朝が京都の平安京、朱雀大路を参考にして、鎌倉の都市計画の第一歩として、また、妻である政子の安産祈願のため造られた街路となっています。

ちなみに幅員は30mもある大通りですが、現在は中央に参道(段葛)、両側に車道が整備されており、戦後数多く造られたスタイルの大通りに似ています。

豆知識ですがこの中央部分の参道(段葛)は鶴岡八幡宮に近づくにつれて幅が狭くなっています。
これは遠近法を使用して鶴岡八幡宮を遠く美しく見せるためだとか、幕府時代に敵の侵入を想定して道幅が狭くなる際に混乱するように造られた等の諸説ありますが、いかがなものでしょうか。

都市景観で遠近法が用いられた景観を見ることは稀なので面白いですね、ゼミ旅行で気づいている人はいませんでしたが・・・
ちなみにこの写真ではわかりにくいので気になる方は、休日にでもぜひ行ってみてください。
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この若宮大路沿いには鎌倉市景観重要建築物に登録された建物もあり、写真の三河屋本店もその一つです。
ちなみにこの三河屋本店は1927年に竣工、酒屋であり、伝統的な出桁造りの店構えが特徴的です。
分厚い木造の桁がとても力強い印象でした。
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鎌倉地区の観光の的であり、核である「鶴岡八幡宮」です。
三の鳥居と呼ばれている真っ赤な鳥居は鶴岡八幡宮と若宮大路のエッジであり、ランドマークとしても効いています。
◎都市用語 ケビン・リンチ「パス・ノード・エッジ・ランドマーク・ディストリクト」
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この鶴岡八幡宮には坂倉順三氏が設計したモダニズム建築である「神奈川県立美術館 鎌倉館」があります。
現在は残念ながら閉館してしまい、このように外から眺めることしかできませんが、ル・コルビュジエをはじめとしたモダニズム建築の特徴である1階を吹き抜けにしたピロティ空間やシンプルな外観、水平垂直の外観意匠であることはわかります。
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奥へ進むと鶴岡八幡宮の本殿があります。
鶴岡八幡宮は縁結びの御利益があるので結婚式が行えるほか、様々な恋愛ものの映画での撮影で使われており、最近では「ストロボ・エッジ」の遠足シーンに出てきましたね。

こういったロケ地や今人気のパワースポットになることで人気スポットとなり、神社や寺院に人が集まり、過去に栄えた周辺の商店街も栄えるので似たような都市を持つ地方も頑張ってほしいものですね!

今回は鶴岡八幡宮の歴史については割愛しますので興味のある方は下のリンクから公式サイトにアクセスしてみてください。
鶴岡八幡宮 公式サイト
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鶴岡八幡宮まで到着しましたので今回はこの辺で終わりにします。
ちょうどこの場所、ストロボ・エッジの映画で・・・映画のワンシーンからも景観を気にしていたりしてあまりストーリー入っていなかったので細かいことは忘れました!汗
『ストロボ・エッジ』予告
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話が脱線してしまいましたが、
最後に鎌倉市の都市景観資料から拝借した景観形成ガイドラインの図面と鶴岡八幡宮で撮影した観光マップです。
鎌倉 中心部 都市景観
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○まちづくり・都市景観 No.6 鎌倉都市景観

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