愛知県東海市 太田川周辺のまちづくり西側

  •   27, 2016 07:37
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カテゴリに新しく「まちづくり・都市景観」を追加しました。
自分は大学で都市計画や景観、歴史的建築物の保存や活用について研究するゼミに今年度から入ったので、このブログでもそういった都市計画、景観など「まち」を創っていくものや都市を賑やかにしていくためのもの、実例の他に独自で計画、提案したものをまとめていきたいと思います。



本題に戻りまして、第一段は愛知県東海市太田川周辺のまちづくりについて数回に分けてまとめます。
愛知県東海市太田川は名鉄常滑線の太田川駅周辺で行われている「知多都市計画事業 東海太田川駅周辺土地区画整理事業」によるまちづくりで約64.3haに及ぶ開発面積、平成4年度から平成32年度までの長期間にわたる開発となります。
ちなみに今回は太田川駅西側で、下の写真は太田川駅から日本福祉大学東海キャンパスのある西へ伸びる「太田川駅西歩道」で、撮影した方向と反対側、駅側は30m幅、歩道全体を覆う大屋根が造られます。











■概要
・名称:知多都市計画事業 東海太田川駅周辺土地区画整理事業
・所在地:愛知県東海市大田町
・施行期間:1992年-2020年
・施行面積:64.3ha
・主な事業内容:都市計画道路(駅前広場を含む)の整備、区画道路の整備、特殊道路の整備、公園の整備、水路の整備、宅地の整備及び上記整備に伴う建物移転
(2015年10月撮影)


▲参考、引用
東海市 都市建設部 中心街整備課
東海市 都市計画図
2014年12月1日 No.371「太田川駅西地区整備ナウ」




太田川駅西側の拠点、シンボルとして建設された「ユウナル東海(ローレルタワー太田川駅前)」です。
16階建て、高さ57m、総戸数106戸規模の大規模高層マンションとなっています。
現在、国で推し進められているコンパクトシティ政策では駅周辺を高密度とする開発や再開発を重点に置き、ウォーカブルで利便性の高い地域を目指したまちづくりが行われていますが、県内ではその典型例となっています。
→2015年10月30日投稿 ローレルタワー太田川駅前








再開発された複合施設には集合住宅のみならず、1,025席の大ホールを備える東海市芸術劇場をはじめとして1-2階には商業施設が入っています。
写真でもわかる通り、駅側にはヒューマンスケールの駅前広場である「対面の広場」が整備され、集合場所や井戸端会議などに使えそうですね。






西側から見たユウナル東海です。
こちら側には2車線の道路と幅の広い歩道が整備され、東海市芸術劇場の車寄せロータリーもあります。






高層マンションの低層階には坪庭があるようですね。







対面の広場に設置されている対面の像です。
対面の像として造られたのは細井平洲氏と上杉鷹山氏で、細井氏は江戸に出て嚶鳴館の塾を開き、経世済民の考えに基づいた学問により江戸時代最大の学者と呼ばれ、米沢藩の上杉氏との師弟としての間柄は世の模範としてたたえられたようです。
そして尾張藩に仕えた細井氏は69歳の時、米沢藩に招かれて上杉氏と再会したその場景をこの対面の像は表しているそうです。








ユウナル東海の北側に建つ大規模商業施設の「ラスパ太田川」です。
ラスパ太田川はユニーが運営するミニモール型ショッピングセンターで、2002年に閉店したユニー大田川店跡地に建設されました。
「ラスパ」とはフランス語で洗練された、上品なという意味合いのRaffine、微笑という意味のSourire、公園のParcの各々の頭文字をとり、「笑顔の人が集まる特別な場所」という造語だそうです。
ラスパ大田川には食品売り場、メンズレディスの服屋、スガキヤラーメンやスターバックスなどの飲食店、家具店のニトリなどがコンパクトにまとまっています。






駅前の再開発ビルのみならず、周辺では土地区画整理を終えた場所に次々と商業施設とアパートが入った雑居ビルやマンション、戸建て住宅が建設されています。
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土地区画整理事業に併せて既存建築物のある敷地も区画整理され、道路部分とうまい具合に接続されました。
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土地区画整理事業地外はこんな感じで田園風景と穏やかにスプロールした郊外住宅が広がっています。
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名鉄太田川駅から西へ約300m歩いた場所には日本福祉大学 東海キャンパス(通称:日福大)があります。
日本福祉大学 東海キャンパスは新設された看護学部と美浜キャンパスから移転してきた経済学部、国際福祉開発学部があり、約1,700人が学ぶキャンパスとなっています。
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元々、この日福大が建っている場所は広大な公園が計画されていましたが、敷地の約半分が大学になったため公園面積は減ってしまいました。
しかし、駅東側に広大な公園を建設することによって不足分の面積は解決、日福大の目の前にもこのような児童公園と芝生広場のある公園ができました。
ちなみにこの大田公園には日米友好の証として寄贈されたハナミズキの他にも初夏を彩る約240本ものバラの花、つつじの花が植えられており、お散歩して楽しめる公園になっています。
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先ほど大田公園から駅方向へは幅員30m(日福側西半分の幅員は約15m)もの太田川駅西歩道(歩行者専用道路)が配置され、大学から駅までのメインの動線として整備されています。
その遊歩道の北側にお洒落な煉瓦造風の建物がありますが、これは大同特殊鋼さつき館と呼ばれる保養所、クラブなどの入る建物です。
最初は歴史的建築物かなと思いましたが、どうやら違うようです。
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大田川駅から見た西方向の景色です。区画整理中の手前側はぽつぽつ建物が増えてきました。
ちなみに奥に見える煙突群は新日鐵住金や黒崎播磨等の重工業地帯です。
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少し下の階から見た太田川駅西側です。
道路幅約16m-20m、歩道幅最大約4mもの広さの都市計画道路が整備されました。
車道は二車線ですが、歩道幅が広く、学生が横に2-3人並んでもすれ違うことのできる広さは確保されています。
歩道幅がこれだけ広ければベビーカーを押してのお散歩や、友人同士で通学、高齢者の日向ぼっこなど様々なシーンに対応できそうですね。
自家用車優先の都市構造は環境問題や人口減少によるインフラ整備の面から終焉に近づいている中で、いかに歩く楽しさや魅力を伝え、自転車等の走りやすい環境を整えるのかが、今後の道路交通整備の重点になると思います。
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最後に簡単な手書きの図面です。
大田川駅西側の歩行車軸をメインに周囲の建築物用途に色分けしてみました。
初めてブログで手書きの資料をスキャンして載せたのでとんでもないくらい下手なものになってしまいましたが、少しずつ上達させていきたいと思います。(大学の課題ではそれなりに時間をかけているのでかなりクオリティに差が出ています、悪しからずご了承ください)
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○まちづくり・都市景観 No.1 太田川まちづくり西側

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4 Comment

コメダ  

No title

新たなカテゴリや図面などとても素晴らしいと思います。
名古屋は来年以降再開発が減少してしまいますが、今後もブログの継続を期待しております。

2016/04/27 (Wed) 20:07 | EDIT | REPLY |   

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Re: No title

コメントありがとうございます。
趣味の超高層ビル撮影も続けますが、これから本業となっていくまちづくりについて都市計画や都市景観などの面から学び、まとめていけたらと思います。
今後ともよろしくお願い致します。

2016/04/28 (Thu) 01:50 | EDIT | REPLY |   

天白区の人  

No title

新日本製鐵は、2012年に新日鐵住金と社名変更しました。(新日本製鐵と住友金属が合併)
ちなみに名鉄の「新日鉄前」駅は今のところ、会社名が変わってもそのままです。(過去に東海製鉄前、富士製鉄前と何度か会社名の変更に合わせて変えていたようですが)

蛇足ですが、製鉄会社、鉄道会社が「鉄」の字を嫌う場合、旧字体の「鐵」や、「鉄」の右にある”失(うしなう)”を、「矢」にすることがあるようです。(JR東日本のロゴなど)
お金を失いたくないんでしょう。

2016/04/28 (Thu) 21:58 | EDIT | REPLY |   

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Re: No title

ご指摘ありがとうございます。
一部内容を修正しました。

たしかに鐵が鉄ですと金を失うとなりますね。
気づきませんでしたが、昭和初期の資料を見た際にこの文字が使われていて気になったのですが、解決しました。ありがとうございます。

2016/04/28 (Thu) 23:29 | EDIT | REPLY |   

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